それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「今度はちゃんと前見ろよ」


「うん……」


「心臓もたねぇから。マジで」



あたしを抱きしめる腕の力が増す。


あたしはそんな雄大にコクリとうなずく。
あたし、愛されてる?

いいのかな。
このまま、好きでいても。


でも、雄大には彼女がいるから期待しちゃいけない。
期待したらまた同じことの繰り返しになってしまう。



「……亜実」



あたしの顔をのぞき込む雄大の目はやっぱり潤んでいて。



「……んっ」



そんな雄大の目を見つめていると、そっと唇が塞がれた。



「亜実が無事だったのが嬉しくて。俺、我慢なんてできねぇ」



もう一度深く口づけをした。



「……雄大」


「黙ってて」



舌を割り入れてくる。



「……んんっ」



大好きな雄大の深いキスに翻弄されていた。


雄大から離れるっていう選択肢なんてなかった。
大好きな大好きな雄大のキス。

それを拒むなんてことはできなくて、また付き合ってた頃に戻ったようで嬉しくて。

名称のわからないこの関係にすがっていた。

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