それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
別に病気なわけじゃなくて精神的に参ってるだけだし、きっとすぐに良くなるはずなんだけど、それでもあたしは多分、退院するのが怖いんだ。

だって、退院したら雄大はもうあたしのところには来てくれなくなる。

同情だってなんだっていい。
雄大があたしのことを見てくれるならこのままでいたかった。

あたしたちは彼氏彼女ではない。
雄大には別に彼女がいる。

あたしは友達になんか到底思えない。
だって、今だってこんなに好きで好きで仕方なくて。



「ねぇ。雄大」


「ん?」


「雄大は……んっ」



雄大の唇があたしの言葉を遮る。
こうして毎日のように雄大とキスをする。

雄大とキスをするといつも決心が鈍ってしまって、毎日この繰り返し。

離れたほうがいいとわかってる。
でも、唇に感じるこの温もりを捨てるなんてできなくて。
この温もりに甘えていたくて。

いつも、流されてしまっている。

こうなってしまうのは、あたしが雄大のことを好きだからだってわかっている。

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