それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「あっ」



雄大の着信音があたしと雄大の唇離れさせる。



「悪ぃ」



あたしと頭をポンっと撫でて、椅子にかけてあるブレザーからスマホを取り出す。



「……はぁ」



ディスプレイを見て軽くため息をつきつつも、スマホを操作して電話に出る。



「はい。今?いや、何も」



あたしの方をチラっと見るので、彼女からの電話だってすぐにわかる。

今日もまた、幸せな一時の終わりを知らせていた。



「ごめん。亜実、用事できた」



スマホをポケットにしまいながら、申し訳なさそうな表情になる。



「いいよ。今日もきてくれてありがとね」


「俺が好きできてるだけだから」



またあたしの頭を撫でる。


あたしのところには、毎日きてくれて、2日にいっぺんはその女に会いに行く。

あたしのほうが多いっていう。それだけのことでうれしく思うあたしは異常なのかもしれない。
でも、このままじゃ、あたしも雄大もその子も。
誰も幸せになれないって分かってる。

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