ヤキモチ大作戦!
[空夜side]

そろそろ限界だ...

俺は琉美と1週間近く話していなかった

会いたい...話したい

そう考えながら廊下を歩いていると、見覚えのある後ろ姿を見つけた

会いたすぎて幻覚でも見えてんのかな...

...っ!?琉美!!!

それは幻覚じゃなく、確かに琉美だった

なんで図書室なんかに?


「あ?空夜やん、何しとるん?」


...瞬!


「琉美、どこ行くとか聞いてない?」

「あー、琉美なら先生に雑用頼まれてたでー」

雑用か...


「てか、お前...」

「ん?」

「なんで最近、琉美と仲良いの?」

「お?気になるんか〜?」

ニヤニヤしながらからかってくる瞬に構う余裕なんてなかった

「どうなってるんだよ...」

「ありゃ、追い込みすぎやった?」

「...は?」


俺は作戦のこと、琉美の気持ちを瞬から聞いたあと走って図書室に向かった



「全部空夜が悪いんじゃんか」


独り言を呟きながら本の山を整理する琉美を見つけて、俺はゆっくり琉美に近付いた


「俺がなんだって?」

やっと、俺に気付いた琉美はかなり驚いたような顔をしていた

俺はとりあえず琉美の仕事を手伝うことにした

何から話そう...と考えていると、琉美から話しかけてきた


「瞬がね...」


まだ作戦のこと気にしてんのか?

もう、琉美の口から瞬の名前は聞きたくなかった

「瞬が...」


バンッ


ついに我慢出来なくなって俺は本棚に琉美を押し付けた

そして触れるか触れないかの距離まで顔を近付けた

俺のことだけ見て、俺のことだけ考えればいいんだ

なのに瞬なんかと...


「ムカつく...」

「...ヤキモチ?」

「うるさい」

俺はそのまま口を塞ぐようにしてキスをした
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