虹虫
「手、汗かいてるよ」



ナツミはおかしそうに言う。



そこで、俺はだんだん恥ずかしくなり、手を解こうとした。



でも−−。



「手、繋いで帰ろう?」



ナツミのその一言で、少し緊張が解れた。



何故かわからないが、ナツミの言葉には力がある気がした。



俺は逆らうことを止め、しっかりナツミの手を握り返した。
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