虹虫
ナツミは白い顔を天井に向け、固く瞼を下ろしている。



肩までかかった黒髪が白い顔を包み込んでいる。



まるで今にも起き上がり、昔のように微笑んでくれそうな気がした。



おはよう。



満面の笑みで、そう言ってくれる気がした。



でも・・・・・・。



彼女は目を覚まさない。



ずっとずっと・・・・・・。
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