天国への橋
3
「あの子、まだ五歳よ……ひどいわ!父親がいなくなるなんて!」
居間で、母さんが叫んでいる。
「お前達にはすまないと思っている…自分勝手な事も分かっている」
親父の声もする。
ドライブに行った日から、七日目の出来事。
夜中、トイレに行きたくなった俺は、母さんのベッドを覗いた。
だが、母さんはいなかった。
親父もいなかった。
この時間、両親が起きている事は珍しくはなかったが、なぜか俺は不安になった。
胸騒ぎがしたんだ。
俺は、トイレに行くのも忘れ、一階へと降りて行った。
少し開いた居間のドアから、もれた光が廊下の床に線を描いている。
そして俺は…母さんと親父の話し声を聞いた。
尋常では無い声に、恐怖と不安が更に込み上げる。
俺は、開いたドアの隙間から、そっと中の様子を伺った。
母さんは、ソファにもたれて泣いている。
親父は、そんな母さんに深々と頭を下げている。
テーブルの上には、一枚の薄紙………。
.
居間で、母さんが叫んでいる。
「お前達にはすまないと思っている…自分勝手な事も分かっている」
親父の声もする。
ドライブに行った日から、七日目の出来事。
夜中、トイレに行きたくなった俺は、母さんのベッドを覗いた。
だが、母さんはいなかった。
親父もいなかった。
この時間、両親が起きている事は珍しくはなかったが、なぜか俺は不安になった。
胸騒ぎがしたんだ。
俺は、トイレに行くのも忘れ、一階へと降りて行った。
少し開いた居間のドアから、もれた光が廊下の床に線を描いている。
そして俺は…母さんと親父の話し声を聞いた。
尋常では無い声に、恐怖と不安が更に込み上げる。
俺は、開いたドアの隙間から、そっと中の様子を伺った。
母さんは、ソファにもたれて泣いている。
親父は、そんな母さんに深々と頭を下げている。
テーブルの上には、一枚の薄紙………。
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