天国への橋
親父は泣いていたんだ。
心残りがあったんだ。
それは、写真の中の小さな俺……。
写真の中の親父は、笑っている。
愛おしそうに、小さな俺を抱きしめている。
これが俺への、親父の真実の心。
親父は俺を忘れてなどいなかった。
こんな古い写真を、ボロボロになるまで大事に持ち歩いていたんだ。
自分が背負った罪の分、言い出せなかった正直な気持ち………。
「馬鹿だな、俺だっていつまでもガキじゃないのに。こんなチビの時の写真しか持っていなかったなんてさ」
俺は、唇を噛み締めた。
写真を持つ手が、小刻みに震え出す。
……何あっけなく死んでんだよ。
母さんが、どれだけ苦労したかわかってんのかよ?
母さんを泣かせて出て行って、帰って来てまで泣かせて。
そんな権利、あんたにあんのかよ?
死んでちゃ、何も言えないじゃないか。
俺、あんたに言ってやりたい事、たくさんあったんだ。
.
心残りがあったんだ。
それは、写真の中の小さな俺……。
写真の中の親父は、笑っている。
愛おしそうに、小さな俺を抱きしめている。
これが俺への、親父の真実の心。
親父は俺を忘れてなどいなかった。
こんな古い写真を、ボロボロになるまで大事に持ち歩いていたんだ。
自分が背負った罪の分、言い出せなかった正直な気持ち………。
「馬鹿だな、俺だっていつまでもガキじゃないのに。こんなチビの時の写真しか持っていなかったなんてさ」
俺は、唇を噛み締めた。
写真を持つ手が、小刻みに震え出す。
……何あっけなく死んでんだよ。
母さんが、どれだけ苦労したかわかってんのかよ?
母さんを泣かせて出て行って、帰って来てまで泣かせて。
そんな権利、あんたにあんのかよ?
死んでちゃ、何も言えないじゃないか。
俺、あんたに言ってやりたい事、たくさんあったんだ。
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