たまゆらなる僕らの想いを
「それ、洗濯機で回したら干すのは私と旦那でやっておくから凛ちゃんはお昼休憩しておいで。あ、私の作ったカレーで良ければ食べるかい?」
「い、いえ! そこまで甘えられません! 商店街で買いたいものもあるので、どこかで食べてきます」
「遠慮しなくてもいいのに。あ、でも、商店街行くなら、申し訳ないけど安達さんのところで日本酒を買ってきてくれない? 神棚のお神酒に使うの」
これなんだけど、と女将さんが調理台に乗っている空の酒瓶を手にして私に見せてくれて、私はデニムパンツの後ろポケットからスマホを取り出すと写真を撮った。
「わかりました。他になにかありますか?」
「あとは大丈夫! ごめんね。頼むね」
「はい。じゃあ、洗濯機、まわしてきますね」
「ありがとう。よろしくね」
女将さんの朗らかな声に見送られ、私は抱えたカーテンを落とさないように洗濯室へと向かう。
宿泊者用の洗濯機とはまた別なので、事前に教えてもらった手順で開始ボタンを押すと、水が出たのを確認してから泊まっている部屋へと戻った。