たまゆらなる僕らの想いを


私は……幸せだ。

ナギもヒロも、悩む私を楽にしようとしてくれる。

そして、私も二人になら素直になれる。

やっぱり、私はこの島で暮らしたい。

でも、これはただ甘えているだけなのかもしれないとも同時に思う。

それでも、今は甘えたかった。

ナギに押してもらった背中を、ヒロにさらに押してもらえたら。

私は、今度こそ踏み出せるような気もするから。

だから、打ち明けた。

ナギに相談したように、母親と喧嘩して、話し合いたいけどどう言えばいいのか悩んでいるのだと。


「今までずっと、人とぶつかることを避けてたの。それはお母さんだけじゃなくて、学校やバイト先でも、どこでもそうで」


傷つかないように、傷つけないように。

痛みを恐れて必要以上に関わらないことをしてきた結果、こうしてぶつかった時、痛みに耐えられずに落ち込んで泣いて、抱えきれずに人に甘えて。


「もっと、ぶつかっていくべきだったのかなって、今更そんな風にも思っちゃって」


小さな子が学ぶように。

どう転べば痛いのか。

知らないままでいるよりも、どんどん経験した方が良かったのかも、なんて。

だけど……。


「思う、のに。情けないけど、ぶつかるのはやっぱり怖いし、どうすればどう言えばいいのかわからないの」


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