たまゆらなる僕らの想いを
二人の間で張り詰めていたものがほどけていく。
ナギとヒロの瞳から、悲しい色が消えていくのが嬉しくてたまらなくて。
「良かった」
これなら二人の関係はもう大丈夫だろうと胸を撫で下ろすと、二人もまた私に優しい微笑みをくれる。
……そう。
二人はもう大丈夫。
だけど、ナギが打ち明けた事実に、私はゆっくりと笑みを納めた。
ヒロだけじゃない。
私の存在も、ナギの事故の原因になっていた。
呼ばれて、そして今、私が島に帰ってきてしまって。
それがきっと、不必要にナギの魂を呼んで死に近づけている。
私が、ここにいるから、ナギが。
それなら──。
決めると、私は大きく息を吸って、ナギを見つめた。
「会いたいと思ってくれて、ありがとう、ナギ」
私を求めてくれて、呼んでくれて。
島に帰ってこれた私は、たくさんの優しさに触れて、強くなれた。
私を支えてくれたナギ。
私の大切な、生涯ただひとりの初恋の人。