たまゆらなる僕らの想いを
こんな時、どうしたらいいのかわからなくて。
それでも、ナギには。
ナギ、だから。
伝えなければと、伝えたいと、勇気を込めるように拳を握る。
「あ、ありがと……あの、私も同じこと思ってたの」
「凛も?」
「うん……」
例えば、奇跡が起こってナギが同じ学校に転入してきて。
気怠さの残る月曜日の登校も、ナギと一緒なら楽しそうだなとか。
新作のお菓子を見つけた時は、ナギにも教えてあげたいなとか。
テスト勉強を一緒にできたら、ひとりでノートと睨めっこするよりはかどるだろうなとか。
嬉しい時、悲しい時。
どんな時でも思っていた。
ずっと、ずっと。
「ナギに、会いたいなって」
自分の想いを伝えるのはとても恥ずかしいけれど、ありったけの勇気を出して伝える。
けれども、発した声は予想よりも遥かに小さくて。
ナギも何も言わないから、もしかしたら聞こえなかったのではと不安になる。