たまゆらなる僕らの想いを


いたら、悲しいけれど。

それとなくでも確かめておきたくて。


「ナギは……今日は予定ないの?」


不安を隠すように、なるべく声色を変えないよう気をつけて問いかける。


「ない、かな。覚えてないけど」


その答えに安心し、私はひっそりと息を吐いた。

クリスマスだからと特別に約束するような女の子はいなさそうだ。

もしかしたら、ヒロと喧嘩してなければヒロと過ごしたのかもしれないけど。

それにしても。


「覚えてないって。クリスマスだよ?」


さすがにクリスマスをどう過ごすかくらいは覚えていそうなものなのに。

つい眉を寄せて声にすれば、ナギは空に向けていた視線を私に移し、意外そうな顔で唇を動かす。


「今日クリスマスなのか」

「えっ、忘れてたの?」

「うーん……意識してなかったというか、そういえば最近カレンダー見てないな」


ぶつぶつと呟くナギは自分でも忘れていたのが不思議なようで。

けれど、まあいいやと寝転んだまま伸びをした。



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