熟恋ージュクコイー
金曜日、今日は田中さんがお祝いをしてくれる日。
お祝いしてもらうような年じゃない、と何度も言ったけど、お祝いはお祝い!と押し切られた。
今日に限って残業もない。
18時半に待ち合わせだったけど、18時には着いてしまっていた。
どこかで時間を潰そうかとぶらぶらしていると、この春、営業に異動してきた山本さんとばったり会った。
山本さんは営業課長補佐、という何でも屋だ。
何にでも借り出されていて、気の毒に思う事もあるほど。
私よりも少し若そうだけど…まぁ同年代くらい。
「あれ?真野さん?」
本屋で欲しかった新刊を手に取っていたら、隣に山本さんがいた。
『あ、山本さん。お疲れ様です。こんなところでお会いするなんて、びっくりですね。』
「本当ですね。これからどこかお出かけですか?」
『あ、はい。ちょっと友人と待ち合わせです』
「そうでしたか。優子さんとか?」
『え?いえいえ。優子とももちろん飲んだりしますが、今日は別です。』
「優子さん、飲まれるんですか?次にお2人が飲みに行く時には僕も誘ってください!」
『あ、あぁ、わかりました…』
「では、失礼します。」
嵐のように居なくなってしまった。
お祝いしてもらうような年じゃない、と何度も言ったけど、お祝いはお祝い!と押し切られた。
今日に限って残業もない。
18時半に待ち合わせだったけど、18時には着いてしまっていた。
どこかで時間を潰そうかとぶらぶらしていると、この春、営業に異動してきた山本さんとばったり会った。
山本さんは営業課長補佐、という何でも屋だ。
何にでも借り出されていて、気の毒に思う事もあるほど。
私よりも少し若そうだけど…まぁ同年代くらい。
「あれ?真野さん?」
本屋で欲しかった新刊を手に取っていたら、隣に山本さんがいた。
『あ、山本さん。お疲れ様です。こんなところでお会いするなんて、びっくりですね。』
「本当ですね。これからどこかお出かけですか?」
『あ、はい。ちょっと友人と待ち合わせです』
「そうでしたか。優子さんとか?」
『え?いえいえ。優子とももちろん飲んだりしますが、今日は別です。』
「優子さん、飲まれるんですか?次にお2人が飲みに行く時には僕も誘ってください!」
『あ、あぁ、わかりました…』
「では、失礼します。」
嵐のように居なくなってしまった。