熟恋ージュクコイー
うとうとと寝てしまい、気づいた時には隣で雅也さんが私を優しく見ていた。

『あ、ごめんなさい。寝てしまいました…』

「大丈夫ですよ。無理させましたか?」

『あ、いえ。ただ、ものすごく久しぶりだったもので…』

「すごく綺麗でした、さくらさん」

『そんな事言われると、もう本当にどうしたらいいかわからないので…』

「可愛い」

またおでこにキスしてくれた。

年甲斐もなく…と言われるだろうが、いい大人になった今だからする恋もある。

たくさんの経験を経た今だから、わかる気持ちもある。

人はみんな、幸せに生きる権利がある。

自分の時間をどう使うのかは、自分次第。

私は自分の時間を、雅也さんとの時間に使いたいと思った。

こんなアラフィフおばちゃんを、可愛いと言ってくれる人は、きっと世界でも彼しかいないだろう。

『ありがとう雅也さん。私に出会ってくれて』

「それはこちらのセリフ」

これから私の新しい人生が始まる。



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