熟恋ージュクコイー
どう話したら安心してくれるか、昨日からずっと考えていた。

けど、結局まっすぐ彼女を見て、ゆっくり丁寧に話す事にした。   

俺を知ってもらうためにどう話したらいいかなんて、昔はどうでもよかった。

年をとったもんだな。

俺が自己紹介をすると、驚く事に、彼女も自己紹介を始めた。

恥ずかしそうに、でも俺を見ながら話す姿が可愛い。

自己紹介を終え、普段の話を始めたら、なんか、昔からの知り合いかというぐらいに気を許せる。

真野さんも、気を使って話している感じがない。

お酒が進んだからなのか、会話が盛り上がっているからなのか、とにかく俺は楽しい!!

こんなの久しぶりだ。

今は独身とはいえ、長い間結婚されていて、お子さんもいる。

ゆっくりと時間をかけて、お互いを知っていくのがいいのだろう。

そう思っていたのに…俺の気持ちが暴走し始める。
< 73 / 116 >

この作品をシェア

pagetop