熟恋ージュクコイー
こともあろうに、手を握りながらこんなことを言ってしまった…

『どうやら私は真野さんに恋してしまっているようです。年甲斐もなく、とか言わないでくださいね。真野さんにも、私に恋してもらいたいなと思っているので…』


不覚にも大暴走。  

困惑する真野さん。

そりゃそうだよな。

真野さんは旦那さんが亡くなったからといって、しょっちゅう男と会うようなタイプじゃない。

恥ずかしそうにしている様子でわかる。

家族も大事にしている。

ほぼ初対面の男にこんなことを言われて、困らないわけがない。

やってしまった…

握った手は、どうしても離したくなくて、真野さんからも離したいとも言われなくて、結局駅までそのまま繋いでいた。

こんな日常が来るといいのに。
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