熟恋ージュクコイー
お店に入ると、お店の奥さんのミキさんが

「あら!久しぶり〜!いらっしゃい!」

といつものように元気に声をかけてくれる。

『ビーフシチューお願い。ワインも。』

「今日はお仕事お休み?」

『うん、今日はゆっくり、ビーフシチューが食べたくて。』  

「はーい!少々お待ち下さい」

厨房に行くミキさん。

お店の中を見渡すと、たくさんの人がランチをしている。

相変わらずの人気だ。

その中に、見覚えのある人がいた。

『あ。』

思わず声が出た。。

「あ。久しぶり。」

向こうも同じ反応。

店の中にいた背の高いキャリアウーマン風の女性。

いや、キャリアウーマンか。

彼女は私の元妻、弥生だ。

まだ夫婦だった頃、2人でこの店に来ていた。 

この店もまだオープンして間もなく、オーナーシェフとも奥さんとも、よくお喋りさせてもらった。

ミキさんから、たまに弥生も来ているのは聞いていたが、会うのは初めてだった。
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