熟恋ージュクコイー
ありがたいと思いながら、電話を切った。

さっき会ったばかりなのに、もう真野さんに会いたくなった。

確か、金曜日は娘さんがバイトだって言ってたなぁ。一緒に夜ご飯、どうかなぁ?

早速メッセージをしてみる。

「社長、何を頑張るんですか?」

小野さんがニコニコしながら聞いてきた。

『あ、小野さん。あのね、好きな人ができてね。その人に振り向いて欲しくね。おじさんがこんなこと話すの、恥ずかしいんだけど。。』

「社長もついに、そんな人ができたんですねぇ。私も嬉しいですよ〜!次はいつ会うの?」

『来週に。そうだ、それがさ、彼女来週誕生日なんだって。どこかいいお店知らない?』

「それなら!絶対におすすめのお店がありますよ!住宅街にある隠れ家寿司屋!どう?」

『おぉ〜そこいいねぇ。』

「しかもね、コース料理なの。最高でしょ?」

『お店の名前教えて?』

「あ、ここ、ここ。メールしておきますよ。」

『ありがとう。今度ちょっと様子見に行ってくる。』

「ふふふ。社長、よほど素敵な人に会ったんですねぇ。あ〜楽しい!」

『なんで小野さんが?恥ずかしいんだよ、結構。もう50も近いのに。』

「いいじゃない!どんな年になっても恋はしないとダメよ」

ほほほほほ〜と笑いながら小野さんが帰って行った。

すると携帯にメッセージがきた。

真野さんだ。


『田中さん、お誘いありがとうございます。今日はあいにく予定があるので、またの機会に。』

あぁ、残念。断られてしまった。

ガツガツしすぎたかな。

よし、いい機会だ。

これから下見に行ける!

さぁ。さっさと仕事終わらせるぞ!
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