熟恋ージュクコイー
俺が話し終わると、真野さんの顔が柔らかい表情に戻っていた。

すぐに恋してもらえるなんて思ってない。

ただ、とにかく、離したくなかった。
掴みかけてる彼女の手を。

それからはまた、普通にお喋りをして、笑って、楽しい時間を過ごした。

今を一緒に楽しめたら、それでいいのかもしれない。

無理に自分のものにする必要はないのかもしれない。

タクシーで真野さんの家の近くまで送り、そのまま家に帰る。

こんな暖かい気持ちになれたのは彼女のおかげ。

この関係を大切にしていきたいと思った。
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