次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい
オルキスは抱き寄せていた力を緩め、リリアと視線を同じにするように身を屈め、顔を覗き込む。
「例え運命を拒まれてしまったとしても、俺はリリアを手放すつもりはない。お前を見ていると心が和む。殺伐としていた人生の中で、こんなにも安らぎを感じる相手は初めだ。どんな形でもいい。俺はお前との未来を望んでいる」
オルキスの真剣な眼差しにリリアの胸が震え出す。喜びで満ち溢れていく。
「リリアを心の底から愛おしく思っている。愛している」
リリアはオルキスの胸元にそっと触れ、ずっと抱いていた思いを口にする。
「私も……オルキス様をお慕い申しております」
再びリリアを腕の中へと閉じ込めてから、オルキスは瞳に冷淡な輝きを宿す。
「ユリエルのことは気に病む必要もない。彼女は俺を慕っているわけではない。彼女が固執しているのは……」
+ + +
「お前が欲しかったのは、王妃の座なのだろ?」