彼氏売買所
すると真由は身を乗り出して、あたしの耳元に口を近づけた。


「120万円」


小声でささやかれた金額に心臓が大きく跳ねた。


120万円なんて、高校生のあたしにとっては途方もない金額だ。


いや、でも、今のあたしには手の届く金額かもしれない。


「本当はもう少し高いと思ってたんだけどさ、相手が結構女遊びが激しくて、それでマイナスになったの」


真由は悔しそうな表情をしてそう言った。


「そうなんだ……」


相手の性格が良ければ、金額は更に跳ね上がっていたのだろう。


あたしはゴクリと生唾を飲みこんだ。


「どう? 行く?」


そう聞いてくる真由。


あたしの答えはすでに決まっていた。
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