彼氏売買所
あたしは真由と同じように長いデザートスプーンでクリームを救ってひと口食べた。


イチゴの酸味と相まってほどよい甘さが口に広がる。


「ねぇ君たち何してるの?」


声をかけられたのはひと口目を飲みこんだ時だった。


振り返ると通路に見知らぬ男が2人立っている。


男子高校の制服を着ている。


あたしと真由は咄嗟に目を見交わせていた。


相手の顔はまぁまぁ。


でもちょっと背が低くて、金額にすれば小林君には劣るだろう。


せっかくカッコいい人を求めてここまで来たのに、中途半端な外見の男で手を打つことにはできない。


あたしは真由にだけわかるように、左右に首を振った。
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