彼氏売買所
「彼氏と待ち合わせ」


真由がそう返事をすると、男たちは「なんだよ彼氏持ちかよ」と、ブツブツ文句を言いながら通路を歩いて行ってしまった。


その後ろ姿へ向けて思いっきり舌を出す。


「あれくらいでも悪くないけどね」


彼らが遠ざかったのを確認して真由は言った。


「そうだね。でも小林君よりは安そうだよ」


あたしがそう言うと、真由は噴き出した。


「確かにそうだね。学生で小林君の金額を超えようと思ったら結構難しいんじゃないかな」


「そうなんだ?」


「うん。収入も免許もないから、金額は上がりにくいんだよ」


なるほど。
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