彼氏売買所
「ありがと。君は可愛いね」


低い声。


大人っぽい仕草にドキッとしてしまう。


間近で見ると更にカッコいいことがわかった。


「君も本気の恋愛を探してるの?」


「そ、そうだよ」


あたしは言葉に詰まりながらも頷く。


運転手の男はカルティエの男のような軽さを感じない。


緊張で背中に汗がながれるのがわかった。


「それなら、俺でよかったら電話して」


そう言い、男は名刺を取り出してその裏にプライベート用の電話番号を記入した。
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