彼氏売買所
「そうです。あたし、毛利愛っていいます」


そう言ってから、まだ自己紹介もしていなかったことを思い出す。


これからカップルになるとすると、かなり時間がかかってしまうかもしれない。


『本当に電話くれたんだね。ありがとう』


西田さんは嬉しそうにそう言った。


「西田さん、カッコいいから」


『あはは。何言ってんの。愛ちゃんから連絡が来てすっげー嬉しい』


ナンパスポットで会った時よりも、少し軽い感じがする。


電話だからかもしれない。


「西田さん、彼女はいるんですか?」


あたしはすぐに本題へと移った。
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