彼氏売買所
『いたら本気の恋を探してる愛ちゃんに電話番号を教えたりないだろ』


「……そうですよね」


そう返事をしながらも、その言葉が本当なのかどうか首を傾げた。


相手の顔が見えていれば、少しはわかったかもしれないけれど。


『俺に連絡してくれたってことは、少しは期待していいってこと?』


その質問にあたしはすぐに「はい」と、返事をした。


そのつもりで電話をしたのだから、当然だ。


『結構積極的だね。さっきはそんな風には見えなかったのに』


「さっきは、友達がいたし」


慌てて言いワケをする。


がっつきすぎて引かれたら、カップルになれなくなってしまう。


『そうだったんだ。そういうところ、可愛いね』


会って間もない女のことを理解しているようにそう言って、西田さんは笑った。
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