彼氏売買所
「あの、西田さんがよければ、あたしと――」


『待って、そういうの、俺から言わせて』


あたしの言葉を遮って西田さんはそう言って来た。


ゴホンとわざとらしく咳払いする音が聞こえて来る。


すべてが演出臭いけれど、今は我慢するしかない。


『愛ちゃん、よかったら俺と付き合ってください』


あたしに断ると言う選択肢はなかった。
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