彼氏売買所
☆☆☆

結局、西田さんも軽い人だったのだろう。


カルティエの男が軽すぎたから、真面目に見えただけのことだ。


「愛、家に帰ってから電話した?」


翌日の教室、登校してきた真由がすぐに近づいて来てそう聞いた。


「もちろん」


頷いて笑顔を浮かべる。


それだけで真由には通じたようだ。


「真由はどうだったの?」


「あたしもバッチリ!」


そう言って親指を立てて見せる真由。


「よかった。それならまたダブルデートができるね」


「次は愛1人で頑張ってみない?」


真由の言葉にあたしは瞬きをした。


「あたし1人で?」


「うん。愛はまだまだ男馴れできてなさそうだし。それを改善するためにも」


そう言われても、あたしはすぐに肯定することができなかった。
< 142 / 281 >

この作品をシェア

pagetop