彼氏売買所
静かに行動していても、引き出しの中を探すちょっとした物音が大きく聞こえてくる。


紙がこすれる音や、物がぶつかる音にいちいち冷や冷やしながら引き出しを調べる。


そして一番左側の引き出しを開けた時、白い封筒が目に入った。


これは以前こっそりのぞき見たことのある書類が入っていたはずだ。


あの時は祖父の借金の金額を見たんだっけ。


そんな事を思い出しながらあたしは封筒を開けた。


見たことのある金額が記入されている書類。


その他に毎月の返済額が記入された書類などが入っている。


きっとこの中に会社の名前や住所も書かれているはずだ。


流行る気持ちを押さえながら、あたしは丁寧に書類を確認していく。


そして数分後、「あった」と、小さな声で呟いた。
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