彼氏売買所
出て来たのは20代前半くらいの若い男で、ひょろりと背が高い。


金髪で黒いスーツを着ている。


「あ、あの、私毛利って言います」


自己紹介する声が裏返った。


男は怪訝そうな表情をこちらへ向けている。


「女子高生? こんなところに用事か?」


金髪の男がそう呟きながら部屋の中を振り返った。


中にまだ誰かいるのだろう。


「どうした?」


おだやかな声が聞こえてきて、もう1人男が出て来た。


その人は黒髪にジーンズとTシャツというラフな格好をしている。


パッと見ただけでもかなりのイケメンで、ホストを彷彿させる姿だった。
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