彼氏売買所
あたしの目の前に立っているのは大山隼人(オオヤマ ハヤト)同じ1年F組のクラスメートで、黒縁の分厚い眼鏡をかけている。
隼人はさっきから挙動不審に周囲を見回している。
ひと目が気になるからあたしをこんなジメジメとした陰気臭い場所へ連れて来たくせに、それでもまだ気になるようだ。
「聞いてるよ?」
あたしはそんな気持ちをおくびにも出さずに笑顔を向ける。
隼人が安堵したようにほほ笑み、その頬は赤く染めた。
「あの、俺、入学当初から君の言が好きで……」
流れ出るお決まりのセリフに欠伸をかみ殺し、あたしはまた空を見上げた。
さっきまで見えていた太陽が完全に隠れてしまっている。
このままダラダラと時間を過ごしていればきっと雨が降り始めるだろう。
隼人はさっきから挙動不審に周囲を見回している。
ひと目が気になるからあたしをこんなジメジメとした陰気臭い場所へ連れて来たくせに、それでもまだ気になるようだ。
「聞いてるよ?」
あたしはそんな気持ちをおくびにも出さずに笑顔を向ける。
隼人が安堵したようにほほ笑み、その頬は赤く染めた。
「あの、俺、入学当初から君の言が好きで……」
流れ出るお決まりのセリフに欠伸をかみ殺し、あたしはまた空を見上げた。
さっきまで見えていた太陽が完全に隠れてしまっている。
このままダラダラと時間を過ごしていればきっと雨が降り始めるだろう。