彼氏売買所
「お前がこんな大金を稼げるとは思えない」


「なに言ってんの!?」


思わず声が大きくなっていた。


一気に血がのぼって行くのが自分でもわかる。


このお金を受け取ってもらわないと、あたしは人生は終わってしまう。


「ちゃんと働いて稼いだなら受け取ることはできる。だから説明しろ、どうやってこの金を手に入れた」


「それは……」


返事はできなかった。


《彼氏売買》が不当な商売であることくらい、考えなくてもわかる。


それを教えてしまえば、もうこのお金は受け取ってもらう事もできなくなるのだ。
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