彼氏売買所
その音に真由は怪訝そうな顔を浮かべている。


「このメッセージ音の相手って、彼氏だよね?」


そう聞かれて、あたしは頷いた。


真由が持って来てくれたオレンジを剥き、1つ口に入れた。


朝からなにも食べていなかったから、口の中に甘味が広がって行くと食欲がわいて来た。


「実はね……」


あたしは勇気を出し、家の借金について説明し始めた。


時々言葉に詰まりながらも、どうにか説明する。


「だからお金が必要だって言ってたんだね」


「うん」


あたしは頷いた。


昨日○×金融へ行ったけれど、お金を受け取ってもらえなかったことも話した。
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