彼氏売買所
「愛が返済するのを阻止するためだろうね」


真由はそう言って眉間に深くシワを作った。


「たぶんそうだよね……」


「ちなみに聞くけど、その蓮人って人はどんな人なの?」


「どんなって……見た目はすごくカッコいいよ」


そのくらいしかあたしも知らない。


「それなら、その人も売っちゃえばいいじゃん」


真由の躊躇ない言葉にあたしは驚いて息が止まった。


蓮人を売る。


そんな風に考えたことは1度もなかった。


「でも、相手は普通の人じゃないよ?」


「そんなの関係ないよ。自分が売られたなんて、誰も気が付いてないじゃん」
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