彼氏売買所
そのことに自分が一番驚いた。


相手が蓮人だからかもしれない。


「ここまででいいか」


車が減速し、外を見ると学校に近くのコンビニだった。


ちゃんとあたしが言ったことを守ってくれている。


「うん……」


せっかく家まで迎えに来てくれたのに怒ってしまった事を後悔しながら、シートベルトを外す。


蓮人は本当にあたしを送ってくれただけなんだ。


「ちょっと待て」


車から下りようとしたとき、そう呼び止められた。


「なに?」


ドアをあけたまま振り返る。
< 243 / 281 >

この作品をシェア

pagetop