彼氏売買所
「これは俺の女だっていう証だからな」


蓮人はそう言い歯をのぞかせて笑う。


その表情に心臓がドクンッと跳ねた。


今まで感じたことのないドキドキに、戸惑ってしまう。


「あ、ありがとう」


あたしはぎこちなくそう言い、ネクレスを首に付けようとする。


しかし、上手く行かない。


「不器用だな」


蓮人はそう言い、あたしの手からネックレスを取ると付けてくれた。


蓮人の手の温もりを首の後ろに感じて、また心臓が跳ねた。


「ありがとう……」


あたしは小さな声でそう言い、そそくさと車を下りたのだった。
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