彼氏売買所
放課後になり帰る時間になると、優里に言われた言葉はすっかり忘れてしまっていた。


校門を出て近くのコンビニへ向かうと、蓮人の車が停まっている。


あたしはそれを見て駆け寄った。


「お帰り」


運転席から顔を覗かせて蓮人が言う。


ただそれだけで、1日の疲れが吹き飛んでしまう。


「ただいま」


あたしは照れてほほ笑みながら、車の助手席に乗ったのだった。
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