彼氏売買所
「そうだね」


照れくさかったけれど、そう言って頷いた。


「もったいないな、こんなに可愛いのに」


蓮人はそう言ってあたしの髪を撫でた。


こうして異性に頭を撫でられたり、髪を撫でられたりしたこともない。


本当になにもかもが初めてだった。


蓮人に唇を寄せられて、あたしは自然と目を閉じていた。


柔らかな感触が唇を覆い尽くす。


触れ合った瞬間、心臓がドクンッと大きく跳ねた。


好きだと言う感情と、嬉しさと、色々なものがないまぜになってせり上がって来る。


「大丈夫?」
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