彼氏売買所
☆☆☆

梅雨開けが発表され、外はとてもいい天気だった。


これからどんどん気温が上がって行くのだろう。


「夏休みにはなにしよう」


蓮人の車の助手席であたしはそう呟いた。


もちろん、蓮人に聞こえるように。


「事務所も一週間ほど休みができるから、そしたら2人で旅行でもいくか」


躊躇なくそんな返事をくれる蓮人に、胸の奥に熱を持つ。


「蓮人と2人なら、どこへ行っても楽しいよ」


こうやって普通に異性と付き合えていることに、まだ戸惑いを感じている。


でも、それも少しずつ慣れてくればいいと思う。


「今日はどこへ行くの?」


流れる景色に視線を向けて、あたしはそう聞いた。
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