彼氏売買所
☆☆☆

途中で休憩を挟んで到着したのは、見たことも聞いたこともない雑貨店だった。


蓮人は駐車場へと車を停車させたが、店舗はまだ工事中でオープン前だ。


あと数日でプレオープンだと、看板に書いてあるのが見えた。


「ついたぞ」


「でもここ、まだオープンしてないよね」


とまどいながらそう聞くと、蓮人が車から下りるように促して来た。


「大丈夫」


そう言われ、おずおずと店舗へ近づいていく。


ガラスの向こうには白い棚が見えて、商品が並んでいる。


けれど電気はついておらず、人の気配もない。
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