彼氏売買所
望まないデートの日にこれだけ天気がいいと、なんだか空に意地悪をされているような気分になって来る。


そんな気分のまま約束場所の公園へ行くと、他の3人はもう到着していた。


「こんにちは」


そう声をかけて来たのは川田君だった。


私服姿もあか抜けていてカッコいい。


背が高くてイケメンだから、きっと何を着ていたって似合うのだろうけれど。


一方モジモジと俯いているあたしの彼氏は、ジーンズに白いTシャツというなんの面白味もない服装だった。


わかっていたことだけれど、2人の歴然とした差にガッカリしてしまう。


デートなんだからもう少し頑張るとか、なかったのか。
< 31 / 281 >

この作品をシェア

pagetop