彼氏売買所
中肉中背の、どこにでもいるような生徒の1人だ。


「わざわざ待ってたの?」


学校が終わってから先に帰ったものだとばかり思っていた。


「あの真面目は隼人の告白が気になってさ」


優里はそう言って口角をあげた。


「まさかのぞき見? 性格悪いよ?」


「愛に言われたくないよ。告白を受ける気なんてなかったんでしょ?」


優里にそう言われてあたしは小さく肩をすくめた。


一緒に歩いて校門を出る。


「隼人がどんな告白の仕方をするか気になるじゃん?」


そう言うと、優里は頷いた。


「たしかに、それはあたしも気になった。でも、毎回告白を断ってたら逆恨みされない?」
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