彼氏売買所
別れたと言うか、売ったのだけれどそんなこと言えるハズがない。


口ごもるあたしに優里は不思議そうな表情を浮かべている。


「2人ともどうして? デートでなにかあった?」


真由がコロコロと彼氏を変えていることは周知の事実だけれど、あたしも同じようにすぐに別れたと言う事で、優里が妙な心配を抱き始めているのがわかった。


「ちょっとね」


あたしは乾いた笑い声を上げて誤魔化すしかない。


事の発端である真由はいつの間にかあたしの机の中からラブレターを取り出して、勝手に読み始めていた。
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