彼氏売買所
中を探ってみるとすぐに封筒の感触が指先にあった。


引っ張り出して中身を確認する。


あの時もらった10万円は丸々残っていた。


使えるワケがないと思って、バッグの中にしまったままだったのだ。


でも……。


今日登校してきた隼人はとても元気そうだった。


あたしのことを怨んでいるようにも見えない。


あたしは隼人の顔を思い出しながら上半身を起こし、床に1万円札を並べて行った。


今まで手にしたことのないような大金が、目の前にある。
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