彼氏売買所
「そうなんだよね。夏休み前にバイトしてお金貯めて、彼氏もほしい!」


次々と出て来る欲求にプッと噴き出してしまう。


「バイトはどうにかなるかもね。でも彼氏はどうかなぁ」


正直優里の外見はそれほどモテるタイプではない。


良く言えば素朴な可愛さ。


悪く言えば平凡すぎて花が欠けている。


「ズバッと言ってくれるね……」


「ごめん」


こめかみをひくつかせる優里にあたしは平謝りをした。


「彼氏ができなかったら、夏休み中はあたしに付き合って遊ぶこと!」


そう宣言されてあたしはまた笑った。
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