彼氏売買所
「地下室のスーツの男たちは安全なの?」


「普通に彼氏を売るだけなら、安全だと思うよ? あそこでトラブルがあった時には、それなりの対応をするんだろうけど」


それなりってどんな対応だろうか。


スーツ姿の2人の男を思い出すと、それが力付くの対応であるような気がする。


「とにかく、そんなに心配しなくても大丈夫。月に2人ずつくらい《彼氏売買所》に売ってるけど、今までトラブルになったことなんて、1度もない」


真由の言葉があたしの心をグラグラと揺らがす。


そうだよ。


ずっとあそこに彼氏を連れて行っている真由が、今もこうして普通に生活しているんだ。


そう思うと、不安はどんどん消えて行く。


あたしが同じ事をしたって、平気なはずだ。
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