彼氏売買所
「少しは。でも、全部断ってるんだ」


あぁ、やっぱりあたしと同じだ。


「可愛い子とか、いなかったの?」


「いたけど、相手の見た目で判断してるワケじゃないから」


そう言った晴はあたしを見てほほ笑んだ。


その笑顔に胸が痛くなる。


晴はあたしの内面も好きになったと言いたいんだろう。


だけど残念ならが、あたしはそんなにいい子じゃない。


両親の為に奮闘しているという点はあっても、それで相手を騙しているのだから。


「ねぇ、そろそろ休憩しない?」


この場に我慢できなくなり、あたしはそう切り出した。


太陽は随分高い位置へ来ていて、気温も上がってきている。
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