惚れ薬
そう答えると、航は怪訝そうな顔であたしたちを見つめて来た。


「お前らって、サキと仲良かったっけ?」


その言葉には少しトゲがある。


「なにが言いたいの?」


真弥が航へそう聞き返した。


「サキをイジメるな」


航の言葉に驚いてあたしは目を見開いた。


あたしたちがサキをイジメていたように見えたなんて、信じられない。


普段あれだけ傲慢なサキの態度を航は見ていないんだろうか。


「イジメてなんかない」


あたしはハッキリとそう言い切った。
< 122 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop