惚れ薬
☆☆☆

教室から出ていて初美を見て、あたしと真弥は顔を見合わせた。


「最近調子に乗ってるよね」


真弥の言葉にあたしは思わず吹き出してしまった。


「あたしもそう思ってた。彼氏ができてから調子に乗ってる」


「電話くらい教室ですればいいのに」


真弥がそう呟く。


昼休み中は先生がいないから、生徒たちは自由にスマホを使っている。


「きっとあたしたちに聞かれたくないんだよ」


あたしはそう言ってお弁当箱を鞄にしまった。


「最初は好きでもなかったくせに」


真弥が愚痴るので、あたしは真弥を見つめた。


初美はあたしたちの友達だ。


けれど、3人組っていうのはどうも仲良くすることができない。
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